工場で使われる加湿器の中でも、「蒸気式」は水を沸騰させた際に発生する水蒸気で加湿する仕組みです。
本記事では、蒸気式の特徴やメリット・デメリット、蒸気式の中での分類、導入事例などを紹介します。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 加湿力が高い | 消費電力が高い |
| 周囲の気温や湿度の影響を受けにくい | 火傷のリスクがある |
| 水を沸騰させるため衛生的 | カルキ対策のメンテナンスが必要 |
工場用加湿器の「蒸気式」は、水を加熱して蒸気を発生させるタイプです。
メリットは、加湿力の高さと安定性。室温や周辺湿度の影響を受けにくく、広い空間でも加湿できます。加熱することで雑菌の繁殖も抑えられるため、衛生的です。
デメリットは、ヒーターを使うぶん消費電力が大きいことと、吹き出し口の火傷のリスク、カルキ対策のメンテナンスが必要な点にあります。
蒸気式加湿器にはいくつかの種類があり、それぞれ仕組みや得意な環境が異なります。
ここでは代表的な方式を取り上げ、どのような工場に向いているのかを紹介。用途に合った加湿器を選ぶ際の参考にしてください。
水に電流を流して不純物を振動させ、その際に発生する熱で蒸気を発生させる仕組みです。
構造がシンプルなぶん、比較的安価で導入できるのがメリット。ただし、スケール(不純物)が電極に付きやすいため、清掃や部品交換などのメンテナンス頻度は高めです。
小~中規模の工場で、コストを抑えて導入したい場合に向いています。
電熱ヒーターを使ってタンク内の水を沸騰させ、蒸気を発生させる仕組みです。
沸騰させるため蒸気の衛生性が高く、雑菌リスクも少なめ。その一方で、消費電力が大きく、立ち上がりが遅い点がネックです。
医薬品工場やクリーンルームなど、清潔さや温度・湿度の精密な制御が求められる場所に適しています。
自動で温度を調節するPTCヒーターを使って水を沸騰させ、水蒸気を発生させる仕組みです。
電熱式と同様に、衛生的な蒸気で加湿が可能。
電気代は高く、蒸気が出るまでに時間がかかる点もデメリットです。
医薬品や半導体工場など、厳しい衛生管理が求められる場所に向いています。
赤外線ランプの熱で水を加熱し、蒸気を発生させる仕組みです。
構造がシンプルなぶん蒸気の発生が早く、メンテナンスも比較的楽な方式。広い工場の全体というよりは、小規模スペースの加湿に便利です。
コストを抑えつつ簡易的に加湿したい現場や、一時的な加湿が必要な作業スペースなどに適しています。
水を入れた浅い皿(パン)を、下からヒーターで加熱することで蒸気を発生させます。
仕組みが簡単で掃除もしやすいですが、皿の水を放置すると菌が繁殖しやすいため、こまめな水の交換や清掃が必須です。
小規模なスペースを簡易的に加湿したい場合に適しています。
工場内のボイラーで発生した高圧蒸気を使って加湿するタイプです。ノズルから直接蒸気を拡散する「単管式」と、水分のみを噴出する「二重管式」の2種類があります。
新たに蒸気を作るための電気代をかけずに済むのがメリットです。
すでに蒸気ボイラーが稼働している大規模な工場に適しています。
直接蒸気を噴霧する一次式とは異なり、ボイラーの熱だけを利用して加湿器内の水を温め、新しい「二次蒸気」を発生させる方式です。
ボイラーの蒸気に含まれるサビや薬剤などを室内に持ち込まずに済むため、より衛生的な蒸気を使いたい工場に向いています。
実際に、アルコール検知器製造工場へ蒸気式加湿器を導入した事例です。導入前の課題や導入後に得られた効果を紹介します。
他社製の加湿器利用時は、正確な製造・試験工程に必要な温度と湿度(25℃/55%RH)が不安定で、特に多湿な時期は除湿に苦労し、空調機への結露でカビが発生。
加湿器内の雑菌繁殖や、稼働音の大きさも課題でした。
ピーエス工業の加湿器SUと除湿器DH導入後は、湿度環境が安定。清掃や排水の手間もなくなり、安全衛生面が大幅に改善しました。
コロナ禍で扉や窓を開放している状況でも、24時間稼働により温湿度は規格範囲内を維持できています。
印刷・電子部品
プラスチック工場
なら
| 大きさ(mm) | 高さ1,995×幅700× 奥行450~ 高さ3,010×幅2,000× 奥行1,000 |
|---|---|
| 運転重量(kg) | 95~495 |
| 加湿量(ℓ/h) | 3.4~43.7 |
| 加湿可能な 目安面積(㎡) |
100~460 |
▼マウスオンすると、加湿方式の解説が出てきます
水分を含んだ空気を大風量で循環させ、広い工場内を行き渡るように均一に加湿。包装フィルムの印刷不良やプラスチック成形品の水跡・曇り、電子部品のショートを防ぐ。
空間をムラなく加湿することで静電気の帯電を抑制するだけでなく、工場内に浮遊する塵・パウダーを回収。包装フィルムへの白抜け(ピンホール)を防ぎ、プラスチック成形品の外観不良を低減する。
食品工場
製薬工場
なら
| 大きさ(mm) | 高さ550×幅380× 奥行285~ 高さ650×幅680× 奥行370 |
|---|---|
| 運転重量(kg) | 16~41 |
| 加湿量(ℓ/h) | 1.5~23 |
| 加湿可能な 目安面積(㎡) |
明記なし |
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ステンレス内の電熱ヒーターで水を加熱・殺菌し、純度の高い蒸気だけを供給して衛生的に加湿。純水を使用するため、ミネラル分が残らず白い粉の浮遊・付着を防げる。
湿度センサーの検知値に応じて蒸気量を細かく制御し、設定湿度を一定に維持。粉末原料の固結や生地の乾燥を防ぎ、食品・医薬品の品質を保つ。
製材工場
木材倉庫
なら
| 大きさ(mm) | 直径540×高さ310 ~直径660×高さ330 |
|---|---|
| 運転重量(kg) | 8.8~9.2 |
| 加湿量(ℓ/h) | 12~54 |
| 加湿可能な 目安面積(㎡) |
明記なし |
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高圧水による微細なミストを、天井から水平方向に噴霧・気化させることで、高さのある大空間を均一に加湿。木材を加工・保管するエリア全体を一定の湿度で管理できる。
滴りを防ぐノズルと配水ライン構造により、木材への水滴落下や局所的な過湿を防止。水滴による反りやカビなどの品質不良リスクを抑えられる。