工場では、静電気や粉塵、湿度ムラなどが原因で製品の品質や生産効率に影響が出ることがあります。湿度管理の課題を解決するのが「工場用加湿器」です。
本記事では、印刷工場・半導体工場・プラスチック成形工場の導入事例をもとに、工場用加湿器がどのようにして課題を解決したのかを紹介します。
印刷工場では、紙やパッケージの品質管理のために加湿対策が求められます。ここで紹介するのは、印刷工場に加湿器を導入した実例です。
プリントビズの印刷工場では、これまでノズル式や遠心式の加湿器を導入していたものの、詰まりやコンプレッサーの故障が頻発していました。特にノズル式は修理・清掃などのメンテナンスに時間がかかり、生産性を下げる要因になっていたそうです。
新工場にクリーンウェッターを導入。従来の課題であった故障の多さやメンテナンスの手間が解消され、維持管理が容易になりました。
また、霧ではなく高湿度の風を循環させる加湿方式のため隅々まで湿った風が行き渡り、工場内の湿度が均一化。
作業時に紙から発生して空気中に舞う粉を集塵する効果もあり、作業環境も改善されました。
オンデマンド印刷機は特性上、静電気が発生しやすく、湿度の低下による用紙のコンディション変化(波打ちなど)が製品品質に直結。
さらに、多数の印刷機が常時稼働しているため工場内が極度に乾燥しやすく、製品の安定生産とスタッフの作業環境改善の両面から、抜本的な湿度対策が必要不可欠だと感じていたそうです。
導入後すぐに静電気の低減効果を実感できたため、まずは除電対策としてスポット型を追加レンタルしました。しかし、工場全体の湿度を安定させるには複数台が必要となり、今度は設置場所の確保と毎日の給排水の手間が新たな課題に。 そこで、省スペースで手間のかからない天井埋込型をメインに導入を進めました。
現在は湿度が安定したことで製品品質が大きく向上。さらに、乾燥が和らいだことで「働きやすい環境になった」と女性社員をはじめ現場スタッフからも非常に喜ばれています。
電子部品・半導体工場では、衛生環境や静電気対策のために加湿対策が求められます。電子部品・半導体工場に加湿器を導入した事例を取り上げました。
人命に関わるため高い信頼性が求められる、車載用プリント基板の実装を行っています。冬場は工場内が乾燥して静電気が発生しやすくなりますが、近年、取引先からの静電気対策に関する要求レベルが年々厳しくなっており、指定エリアで確実かつ安定した湿度管理を行う必要に迫られていたそうです。
いくつかの加湿方式を比較検討した結果、対象物を濡らすリスクがない「水滴が出ない仕様」と、空間を綺麗にする「空気清浄機能」が決め手となり、クリーンウェッター®を導入しました。
実際に稼働させたところ、要求されていた静電気対策指定エリアにおいて常に湿度50%以上を安定して確保できるようになり、取引先の厳しい品質基準をしっかりとクリアできました。また、以前は生産設備の上部にうっすらとホコリが付着していましたが、導入後はホコリの落下・付着がほとんどなくなり、静電気対策だけでなく実装工程全体のクリーン化にも大きく貢献しています。
従来、三社電機製作所では蒸気ボイラーでクリーンルームの加湿を行っていました。しかし、水管の詰まりや配管からの蒸気漏れといったトラブルが度々発生し、メンテナンスが大きな負担になっていたそうです。
また、燃料に危険物でもあるA重油(化石燃料)を使用していることから、CO2排出量の削減も求められていました。
A重油を使うボイラーを廃止し、霧のいけうちのドライフォグ加湿システムへ転換。ヒートポンプ式モジュールチラーと併用することで、CO2排出量を約67%削減※しました。
純水を使用するためノズルの詰まりもなく、導入後の5年間は大きなトラブルなく運用を実現しています。
プラスチック成形工場では静電気対策の目的で加湿対策を行っています。プラスチック成形工場に加湿器を導入した事例をまとめました。
近畿容器のプラスチック成形工場では、製品へのチリやホコリの付着、静電気による放電が頻発していました。
当初はノズル噴霧式加湿器の導入を検討しましたが、水道水を使用するとカルシウムの成分が白粉となって残る問題が判明。純水での運用を試算したところランニングコストが高く、現実的ではありませんでした。
ヱイワ機工のクリーンウェッターを導入したところ、水道水でも白粉が出ず、安定した加湿が可能になりました。
フィルター付きで集塵効果もあり、工場内の空気環境をクリーンに維持。
加湿によって静電気の発生も抑制され、成形品へのホコリ付着が減少しました。
丸茂商事株式会社様の繊維工場では、乾燥によって糸切れが起こりやすくなり、織機の停止や生産性の低下につながっていました。
また、乾燥した環境では糸から発生するほこりが飛散しやすく、品質の低下や作業環境の悪化の要因にもなっていました。
AW-400型を導入したことで、加湿によって糸の含水量が安定し、糸切れの発生が抑えられるようになりました。
その結果、織機の停止が減少して生産性が向上。さらに、乾燥時に起こりやすいほこりの飛散も抑えられ、品質の維持と従業員の健康維持に役立つ環境づくりにもつながっています。
川田ニット株式会社の繊維工場では、編機の金属部品が温湿度の変化に敏感に反応するため、環境が変わるたびに調整の手間が発生していました。
また、工場内では糸が乾燥すると静電気によって絡みやすくなるため、加湿が必要でした。さらに、加湿水が生地に付着すると不良品発生の要因になることから、加湿方式や設置方法の慎重な検討も求められていました。
「モノフォグMF」を導入したことで、工場全体の湿度をほぼ50%RHで安定的に維持できるようになり、編機の調整の手間が大幅に軽減されました。
また、少ない電気容量で大きな加湿量が得られるため省エネにもつながっています。純水をミクロン粒子にして噴霧することで、細霧冷房による冷房負荷の削減にも貢献し、発熱の多い生産現場の環境改善にも役立っています。
印刷・電子部品
プラスチック工場
なら
| 大きさ(mm) | 高さ1,995×幅700× 奥行450~ 高さ3,010×幅2,000× 奥行1,000 |
|---|---|
| 運転重量(kg) | 95~495 |
| 加湿量(ℓ/h) | 3.4~43.7 |
| 加湿可能な 目安面積(㎡) |
100~460 |
▼マウスオンすると、加湿方式の解説が出てきます
水分を含んだ空気を大風量で循環させ、広い工場内を行き渡るように均一に加湿。包装フィルムの印刷不良やプラスチック成形品の水跡・曇り、電子部品のショートを防ぐ。
空間をムラなく加湿することで静電気の帯電を抑制するだけでなく、工場内に浮遊する塵・パウダーを回収。包装フィルムへの白抜け(ピンホール)を防ぎ、プラスチック成形品の外観不良を低減する。
食品工場
製薬工場
なら
| 大きさ(mm) | 高さ550×幅380× 奥行285~ 高さ650×幅680× 奥行370 |
|---|---|
| 運転重量(kg) | 16~41 |
| 加湿量(ℓ/h) | 1.5~23 |
| 加湿可能な 目安面積(㎡) |
明記なし |
▼マウスオンすると、加湿方式の解説が出てきます
ステンレス内の電熱ヒーターで水を加熱・殺菌し、純度の高い蒸気だけを供給して衛生的に加湿。純水を使用するため、ミネラル分が残らず白い粉の浮遊・付着を防げる。
湿度センサーの検知値に応じて蒸気量を細かく制御し、設定湿度を一定に維持。粉末原料の固結や生地の乾燥を防ぎ、食品・医薬品の品質を保つ。
製材工場
木材倉庫
なら
| 大きさ(mm) | 直径540×高さ310 ~直径660×高さ330 |
|---|---|
| 運転重量(kg) | 8.8~9.2 |
| 加湿量(ℓ/h) | 12~54 |
| 加湿可能な 目安面積(㎡) |
明記なし |
▼マウスオンすると、加湿方式の解説が出てきます
高圧水による微細なミストを、天井から水平方向に噴霧・気化させることで、高さのある大空間を均一に加湿。木材を加工・保管するエリア全体を一定の湿度で管理できる。
滴りを防ぐノズルと配水ライン構造により、木材への水滴落下や局所的な過湿を防止。水滴による反りやカビなどの品質不良リスクを抑えられる。