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工場用加湿器と必要加湿量の求め方を解説

必要加湿量とは?工場の加湿で正しく把握すべき理由

必要加湿量とは、ある空間を目標の湿度に保つために1時間あたりに必要な水分量のことです。工場では、製品品質の維持や静電気の防止、作業環境の快適化のために適切な湿度管理が求められます。

必要加湿量を把握せずに工場用加湿器を導入すると、能力不足で湿度が上がらなかったり、オーバースペックでコストが無駄になったりするおそれがあります。適切な機器を選定するためにも、まずは必要加湿量を正しく理解しておくことが大切です。

必要加湿量を求めるための基礎知識

空気線図の基本的な見方

空気線図(湿り空気線図)は、横軸に乾球温度(空気の温度)、縦軸に絶対湿度(乾き空気1kgあたりの水蒸気量)、曲線で相対湿度(%RH)を表した図です。図上で温度と湿度など2つの要素がわかれば、ほかの要素も読み取れます。

たとえば乾球温度20℃・相対湿度40%RHの交点から、絶対湿度は約0.006kg/kg'と求められます。

絶対湿度と相対湿度の違い

相対湿度(%RH)は温度によって変動する指標で、同じ水蒸気量でも温度が変わると値が変化します。一方、絶対湿度は温度に左右されず、実質的な水分量を示します。

必要加湿量の計算では、温度変化の影響を受けない絶対湿度を使用します。これにより、空間へ補うべき水分量を正確に把握できます。

必要加湿量の具体的な求め方

必要加湿量は、次の計算式で求められます。

必要加湿量(kg/h)= 換気量(m³/h)× 空気の密度(約1.2kg/m³)× 絶対湿度差(kg/kg')

計算手順は以下のとおりです。

  • 1. 空気線図から、外気条件(温度・湿度)をもとに外気の絶対湿度を求める
  • 2. 室内の目標温度・目標湿度から、室内の絶対湿度を求める
  • 3. 室内の絶対湿度から外気の絶対湿度を引き、絶対湿度差を算出する
  • 4. 対象空間の容積(m³)に1時間あたりの換気回数をかけて換気量を求める
  • 5. 上記の計算式に数値を代入し、必要加湿量を算出する

たとえば、外気の絶対湿度が0.002kg/kg'、室内目標が0.007kg/kg'の場合、絶対湿度差は0.005kg/kg'です。換気量が5,000m³/hであれば、必要加湿量は5,000×1.2×0.005=30kg/hと算出できます。

工場は換気回数や空間が大きいため、必要加湿量も大きくなる傾向があります。実運用では安全率として計算値の1.2倍程度を見込むケースも一般的です。

必要加湿量をもとにした工場用加湿器の選定ポイント

算出した必要加湿量と、加湿器のカタログに記載されている加湿能力(kg/hやml/h)を比較し、適切な機種や台数を決定します。工場用加湿器は設置台数が増えると給水やメンテナンスの負担が大きくなるため、1台あたりの加湿能力が高い機種を選ぶとコスト面でもメリットがあります。

加湿方式には蒸気式や気化式などがあり、蒸気式は加湿速度に優れる一方、気化式はランニングコストを抑えやすいといった違いがあります。工場の環境や用途に合わせて比較検討することが大切です。

まとめ

必要加湿量を正しく算出することは、工場に適した加湿器を選ぶための第一歩です。本記事で紹介した空気線図の読み方や計算手順を参考に、自社の工場環境に合った工場用加湿器を選定してみてください。

【業種別】
工場用加湿器3選

印刷・電子部品
プラスチック工場
なら

製品へのホコリ吸着を防ぎ
結露させずに加湿する
クリーンウェッター
(ヱイワ機工)
クリーンウェッター®︎α
引用元:ヱイワ機工公式HP(https://eiwakiko.com/product/cleanwetter_a)
大きさ(mm) 高さ1,995×幅700×
奥行450~
高さ3,010×幅2,000×
奥行1,000
運転重量(kg) 95~495
加湿量(ℓ/h) 3.4~43.7
加湿可能な
目安面積(㎡)
100~460

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    気化式

    水に濡らしたエレメントや媒体に風を通し、水分を含んだ湿った空気を供給する方式です。ヒーター不要で消費電力が少なく、結露しにくいため、水滴を嫌う工場に適しています。

    気化式
水滴や結露を発生させない

水分を含んだ空気を大風量で循環させ、広い工場内を行き渡るように均一に加湿。包装フィルムの印刷不良やプラスチック成形品の水跡・曇り、電子部品のショートを防ぐ

塵・ホコリの付着を防ぎ
外観不良を低減

空間をムラなく加湿することで静電気の帯電を抑制するだけでなく、工場内に浮遊する塵・パウダーを回収。包装フィルムへの白抜け(ピンホール)を防ぎ、プラスチック成形品の外観不良を低減する

食品工場
製薬工場

なら

湿度を緻密に制御しながら
殺菌された蒸気で加湿する
電熱式蒸気加湿器 SU
(ピーエス工業)
電熱式蒸気加湿器 SU
引用元:ピーエス工業公式HP(https://ps-group.co.jp/product/lineup-h/steam/su)
大きさ(mm) 高さ550×幅380×
奥行285~
高さ650×幅680×
奥行370
運転重量(kg) 16~41
加湿量(ℓ/h) 1.5~23
加湿可能な
目安面積(㎡)
明記なし

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  • X
    蒸気式

    ヒーターで水を100℃に加熱し、衛生的な蒸気を発生させ加湿する方式で、加湿量が大きいことが特徴です。粉塵(白い粉)が発生しないため、製薬・食品工場など厳格な品質管理が求められる工場でよく採用されます。

    蒸気式
殺菌された蒸気で衛生的

ステンレス内の電熱ヒーターで水を加熱・殺菌し、純度の高い蒸気だけを供給して衛生的に加湿。純水を使用するため、ミネラル分が残らず白い粉の浮遊・付着を防げる

高精度な湿度制御で
品質変動を抑える

湿度センサーの検知値に応じて蒸気量を細かく制御し、設定湿度を一定に維持。粉末原料の固結や生地の乾燥を防ぎ、食品・医薬品の品質を保つ。

製材工場
木材倉庫

なら

高天井の大空間で
木材への滴りを防ぎながら加湿する
ML Princess
(Condair)
ML Princess
引用元:Condair公式サイト(https://www.condair.jp/spray-humidifiers/ml-princess-high-pressure-direct-air-humidifier)
大きさ(mm) 直径540×高さ310
~直径660×高さ330
運転重量(kg) 8.8~9.2
加湿量(ℓ/h) 12~54
加湿可能な
目安面積(㎡)
明記なし

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  • X
    スプレー式

    高圧ポンプや遠心力を用いて水を細かい霧(ミスト)にして噴霧する方式です。加湿能力が高いので、大規模工場や冷却効果が必要な現場に適しますが、水道水に含まれるミネラルや雑菌が水滴と共にそのまま空気中に放出されるため、水質管理が極めて重要になります。

    スプレー式
高天井の大空間を均一に加湿

高圧水による微細なミストを、天井から水平方向に噴霧・気化させることで、高さのある大空間を均一に加湿。木材を加工・保管するエリア全体を一定の湿度で管理できる

滴り防止構造で
木材の品質を守る

滴りを防ぐノズルと配水ライン構造により、木材への水滴落下や局所的な過湿を防止。水滴による反りやカビなどの品質不良リスクを抑えられる

※製品の大きさ、運転重量、加湿量、加湿可能な目安面積は、型式により違いがあります。