工場の静電気は、製品不良や火災など重大なトラブルの原因です。
この記事では、静電気の発生抑制や拡散といった対策の基本、印刷・化学・半導体工場における対策内容を解説します。
工場において静電気は、様々なトラブルの元となります。製品へのゴミやホコリの付着、電子部品の破壊といった品質問題を引き起こすだけでなく、引火性の物質があれば火災や爆発といった重大事故にもつながりかねません。
その他にも、機械の誤作動を誘発して製造ラインの効率が低下したり、作業者自身が静電気の痛みを感じたりといったことも。
生産性や安全性の面においても対策が求められています。
工場や製造現場で発生する静電気は、製品不良や機械トラブルを引き起こします。
静電気対策は、静電気の量を測定した後、発生させない・溜まった電気を逃がす仕組みづくりがポイントです。
静電気対策の第一歩は、どこで、どれだけ静電気が発生しているかを把握することです。
測定には「表面電位計」や「静電電位測定器」などの専用機器を使います。ハンディ型は持ち運びに便利で、必要な場所で帯電量をすぐ測定可能。ライン設置型なら常時モニタリングができ、リアルタイムで異常を検知できます。
静電気は摩擦や剥離などの動作で発生します。
発生を抑えるには、接触や摩擦をできるだけ減らす工夫が有効です。例としては、高電圧部のシールド化や、帯電防止剤の塗布など。
より根本的な対策としては、素材の変更や構造の改善も視野に入れる必要があります。
静電気を発生させない設計を意識することがポイントです。
アース(接地)は、静電気対策の基本です。発生した静電気を地面へ逃がすことにより、帯電を防ぎます。
特に、電気を通しやすい金属などの「導体」に対して非常に効果的です。
ただし、アースは電気を通しにくいプラスチックやゴムなどの絶縁体には効果がないため、他の対策と組み合わせる必要があります。
アースが効かない絶縁体には「除電器(イオナイザー)」が有効です。プラスとマイナスのイオンを発生させ、対象物がどちらに帯電していても電気的に中和(除電)します。
ただし、風が届かない、距離が遠いなど設置状況によっては効果が薄れるケースもあるため、効果がでる環境かどうかはチェックが必要です。
工場内の湿度を管理することも、静電気対策になります。一般的には、相対湿度が65%以上になると静電気の発生自体が抑えられ、発生したとしても空気中の水分を通して自然と放出されやすいと言われています。
ただし、湿度を高くしすぎると設備や機器に結露や錆、腐食が発生するリスクも。工場の環境や機器、製品に合わせた湿度管理が必要です。
工場での静電気は、製品不良や生産トラブルを招く大敵です。業種や扱う素材によって、発生原因や対策は異なります。
以下のページでは、代表的な工場を例にして静電気対策のポイントを解説しました。
印刷工場では、静電気による紙の張り付きや印刷ムラ、紙粉の飛散が大きな課題です。紙やフィルムは湿度の変化に敏感で、乾燥すると帯電しやすくなります。
対策としては、適度な加湿によって静電気の発生を抑え、寸法の安定や印刷品質のばらつきを防ぐことが重要。
しかし、湿度が高すぎると紙が波打ち、低すぎれば静電気が発生するため、素材や印刷方式(クリーンルーム、デジタル印刷など)に応じた湿度のコントロールが求められます。以下のページで事例をまとめました。
化学工場では、静電気の火花が可燃性ガスや溶剤に引火し、爆発事故につながるおそれがあります。
静電気の発生抑制と除去の両面から徹底した対策が必須です。
具体的には、湿度管理によって静電気の発生を抑え、絶縁体にはイオナイザー(除電器)で電気を中和します。
発生した静電気は、設備・容器・作業員へのアース(接地)を徹底することで帯電を防止。
また、ガソリンやアルコールなど可燃性の液体を扱うときは、液体が流れる速度を遅くすることで静電気を防ぐ必要があります。
微細化・高性能化が進む半導体は静電気に非常に弱い物質です。放電によって回路が壊れたり不良を引き起こしたりするため、工場での静電気対策は必須。 対策としては、作業者に導電性の靴や服を着用させる、床や台を導電性の素材にし、リストストラップを着用してアース(接地)を確保するなどが挙げられます。
また、空間に浮遊する微細な粒子が静電気によって付着するのを防ぐため、イオナイザーで除電したり、クリーンルームの気流を制御することも重要です。
印刷・電子部品
プラスチック工場
なら
| 大きさ(mm) | 高さ1,995×幅700× 奥行450~ 高さ3,010×幅2,000× 奥行1,000 |
|---|---|
| 運転重量(kg) | 95~495 |
| 加湿量(ℓ/h) | 3.4~43.7 |
| 加湿可能な 目安面積(㎡) |
100~460 |
▼マウスオンすると、加湿方式の解説が出てきます
水分を含んだ空気を大風量で循環させ、広い工場内を行き渡るように均一に加湿。包装フィルムの印刷不良やプラスチック成形品の水跡・曇り、電子部品のショートを防ぐ。
空間をムラなく加湿することで静電気の帯電を抑制するだけでなく、工場内に浮遊する塵・パウダーを回収。包装フィルムへの白抜け(ピンホール)を防ぎ、プラスチック成形品の外観不良を低減する。
食品工場
製薬工場
なら
| 大きさ(mm) | 高さ550×幅380× 奥行285~ 高さ650×幅680× 奥行370 |
|---|---|
| 運転重量(kg) | 16~41 |
| 加湿量(ℓ/h) | 1.5~23 |
| 加湿可能な 目安面積(㎡) |
明記なし |
▼マウスオンすると、加湿方式の解説が出てきます
ステンレス内の電熱ヒーターで水を加熱・殺菌し、純度の高い蒸気だけを供給して衛生的に加湿。純水を使用するため、ミネラル分が残らず白い粉の浮遊・付着を防げる。
湿度センサーの検知値に応じて蒸気量を細かく制御し、設定湿度を一定に維持。粉末原料の固結や生地の乾燥を防ぎ、食品・医薬品の品質を保つ。
製材工場
木材倉庫
なら
| 大きさ(mm) | 直径540×高さ310 ~直径660×高さ330 |
|---|---|
| 運転重量(kg) | 8.8~9.2 |
| 加湿量(ℓ/h) | 12~54 |
| 加湿可能な 目安面積(㎡) |
明記なし |
▼マウスオンすると、加湿方式の解説が出てきます
高圧水による微細なミストを、天井から水平方向に噴霧・気化させることで、高さのある大空間を均一に加湿。木材を加工・保管するエリア全体を一定の湿度で管理できる。
滴りを防ぐノズルと配水ライン構造により、木材への水滴落下や局所的な過湿を防止。水滴による反りやカビなどの品質不良リスクを抑えられる。