印刷工場では、紙の波打ちや静電気、粉じんの付着といった湿度による影響が品質に直結します。
ここでは、「紙・フィルム印刷」「クリーンルーム対応印刷」「デジタル・特殊印刷」の3つの工場における加湿器選びのポイントと、導入事例をまとめました。
印刷といっても、紙・フィルム・特殊印刷など素材によって求められる湿度条件は異なります。
紙は吸湿や乾燥による寸法の変化や静電気が問題となり、フィルムでは帯電が印刷ムラの原因に。また、クリーンルーム対応の精密印刷やデジタル印刷では、粉じんの浮遊や静電気を防ぐための加湿が品質を左右します。
印刷工場では、紙やフィルムなどの素材に応じて繊細な湿度コントロールが求められます。
湿度が高すぎれば紙が波打ってしまい、低すぎれば静電気が発生して品質に悪影響がでるため注意が必要。加湿方法も重要で、水滴が出るタイプでは、機材や製品に悪影響を及ぼしてしまうリスクもあります。
紙・フィルム、クリーンルーム対応、デジタル印刷など、環境により異なる加湿の課題をどのように解決しているのでしょうか。次で導入事例を紹介します。
紙・フィルムの印刷工場では、静電気や粉じんの発生対策ができる加湿器が求められます。湿度が低いと静電気によるトラブルや印刷品質の低下が発生しやすくなるためです。
ここでは紙・フィルムの印刷工場に導入された「クリーンウェッター」の事例を解説します。
乾燥が激しい季節、HAYASHIの印刷工場では静電気の発生が色ズレや紙同士の接着を起こし、品質や作業効率に悪影響を及ぼしていました。
また、紙から出る粉が設備に付いて作業環境を悪化させないよう、清掃やメンテナンスにも手間をかけていたそうです。
工場の新設時に、エイワ機工のクリーンウェッターを導入しました。
加湿器によって工場内の湿度が安定したことで、静電気の発生が減少。印刷時の色ズレや紙詰まりのトラブルも改善されました。
また、加湿器には粉じんの回収効果もあり、工場全体の空気環境が改善。従業員が快適に作業できる環境が整い、品質と生産性の両面でメリットが得られています。
食品・医薬品・化粧品へのフィルムやラベルなど、クリーンルームが必要な印刷工場では、衛生的な加湿が求められます。湿度だけでなく空気中の清浄度が製品の品質に直結するためです。
ここでは、クリーンルーム対応が求められる印刷工場に導入された「モノフォグ MF」の事例を解説します。
丸金印刷が新設した工場は、医薬品パッケージの製造工程にクリーンルームを採用。製品の品質維持のため、湿度の他にも埃や防虫対策など衛生面を厳重に管理していました。
従来の加湿方式では水タンクや配管内の衛生管理に課題があり、安定した湿度と清潔な加湿方法の両立を求めていたそうです。
導入したのは、ピーエス工業の「一流体加湿システム モノフォグ MF」です。
UVランプが搭載されているため配管内の水に雑菌が繫殖せず、常に清潔な霧を排出。衛生的な加湿方式で、クリーンルーム内でも安心して稼働できます。
導入後は室温26℃、湿度50〜55%の安定した環境で稼働でき、紙のよれや割れといった品質面のトラブルも軽減されました。
デジタル・特殊印刷の工場では、静電気による火災リスクや品質低下対策ができる加湿器が求められます。引火性溶剤の使用や大量換気による乾燥が、火災や製品不良に直結するためです。
ここではデジタル・特殊印刷の工場に導入された「AirULM」の事例を解説します。
グラビア印刷では引火性の高い有機溶剤が多く使われるため、火災防止の観点から大量の換気が必要です。しかし、換気することで工場内が乾燥し、静電気や埃による不良発生リスクが高まっていました。
当時は蒸気式の加湿器を設置していましたが、ボイラーによって大量の電気・燃料を消費し、CO2排出量も多く、エネルギーコストがかかる点が悩みだったそうです。
導入された「AirULM」は、防爆仕様かつインクユニット周辺だけをピンポイントで加湿できるスポット加湿が可能。必要な場所にだけ配置することで、従来の約3分の1~2分の1※の加湿量で済みました。以前使用していたボイラーを停止できたことで、大幅な省エネを実現しています。
印刷・電子部品
プラスチック工場
なら
| 大きさ(mm) | 高さ1,995×幅700× 奥行450~ 高さ3,010×幅2,000× 奥行1,000 |
|---|---|
| 運転重量(kg) | 95~495 |
| 加湿量(ℓ/h) | 3.4~43.7 |
| 加湿可能な 目安面積(㎡) |
100~460 |
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水分を含んだ空気を大風量で循環させ、広い工場内を行き渡るように均一に加湿。包装フィルムの印刷不良やプラスチック成形品の水跡・曇り、電子部品のショートを防ぐ。
空間をムラなく加湿することで静電気の帯電を抑制するだけでなく、工場内に浮遊する塵・パウダーを回収。包装フィルムへの白抜け(ピンホール)を防ぎ、プラスチック成形品の外観不良を低減する。
食品工場
製薬工場
なら
| 大きさ(mm) | 高さ550×幅380× 奥行285~ 高さ650×幅680× 奥行370 |
|---|---|
| 運転重量(kg) | 16~41 |
| 加湿量(ℓ/h) | 1.5~23 |
| 加湿可能な 目安面積(㎡) |
明記なし |
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ステンレス内の電熱ヒーターで水を加熱・殺菌し、純度の高い蒸気だけを供給して衛生的に加湿。純水を使用するため、ミネラル分が残らず白い粉の浮遊・付着を防げる。
湿度センサーの検知値に応じて蒸気量を細かく制御し、設定湿度を一定に維持。粉末原料の固結や生地の乾燥を防ぎ、食品・医薬品の品質を保つ。
製材工場
木材倉庫
なら
| 大きさ(mm) | 直径540×高さ310 ~直径660×高さ330 |
|---|---|
| 運転重量(kg) | 8.8~9.2 |
| 加湿量(ℓ/h) | 12~54 |
| 加湿可能な 目安面積(㎡) |
明記なし |
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高圧水による微細なミストを、天井から水平方向に噴霧・気化させることで、高さのある大空間を均一に加湿。木材を加工・保管するエリア全体を一定の湿度で管理できる。
滴りを防ぐノズルと配水ライン構造により、木材への水滴落下や局所的な過湿を防止。水滴による反りやカビなどの品質不良リスクを抑えられる。