必要加湿量とは、ある空間を目標の湿度に保つために1時間あたりに必要な水分量のことです。工場では、製品品質の維持や静電気の防止、作業環境の快適化のために適切な湿度管理が求められます。
必要加湿量を把握せずに工場用加湿器を導入すると、能力不足で湿度が上がらなかったり、オーバースペックでコストが無駄になったりするおそれがあります。適切な機器を選定するためにも、まずは必要加湿量を正しく理解しておくことが大切です。
空気線図(湿り空気線図)は、横軸に乾球温度(空気の温度)、縦軸に絶対湿度(乾き空気1kgあたりの水蒸気量)、曲線で相対湿度(%RH)を表した図です。図上で温度と湿度など2つの要素がわかれば、ほかの要素も読み取れます。
たとえば乾球温度20℃・相対湿度40%RHの交点から、絶対湿度は約0.006kg/kg'と求められます。
相対湿度(%RH)は温度によって変動する指標で、同じ水蒸気量でも温度が変わると値が変化します。一方、絶対湿度は温度に左右されず、実質的な水分量を示します。
必要加湿量の計算では、温度変化の影響を受けない絶対湿度を使用します。これにより、空間へ補うべき水分量を正確に把握できます。
必要加湿量は、次の計算式で求められます。
必要加湿量(kg/h)= 換気量(m³/h)× 空気の密度(約1.2kg/m³)× 絶対湿度差(kg/kg')
計算手順は以下のとおりです。
たとえば、外気の絶対湿度が0.002kg/kg'、室内目標が0.007kg/kg'の場合、絶対湿度差は0.005kg/kg'です。換気量が5,000m³/hであれば、必要加湿量は5,000×1.2×0.005=30kg/hと算出できます。
工場は換気回数や空間が大きいため、必要加湿量も大きくなる傾向があります。実運用では安全率として計算値の1.2倍程度を見込むケースも一般的です。
算出した必要加湿量と、加湿器のカタログに記載されている加湿能力(kg/hやml/h)を比較し、適切な機種や台数を決定します。工場用加湿器は設置台数が増えると給水やメンテナンスの負担が大きくなるため、1台あたりの加湿能力が高い機種を選ぶとコスト面でもメリットがあります。
加湿方式には蒸気式や気化式などがあり、蒸気式は加湿速度に優れる一方、気化式はランニングコストを抑えやすいといった違いがあります。工場の環境や用途に合わせて比較検討することが大切です。
必要加湿量を正しく算出することは、工場に適した加湿器を選ぶための第一歩です。本記事で紹介した空気線図の読み方や計算手順を参考に、自社の工場環境に合った工場用加湿器を選定してみてください。
印刷・電子部品
プラスチック工場
なら
| 大きさ(mm) | 高さ1,995×幅700× 奥行450~ 高さ3,010×幅2,000× 奥行1,000 |
|---|---|
| 運転重量(kg) | 95~495 |
| 加湿量(ℓ/h) | 3.4~43.7 |
| 加湿可能な 目安面積(㎡) |
100~460 |
▼マウスオンすると、加湿方式の解説が出てきます
水分を含んだ空気を大風量で循環させ、広い工場内を行き渡るように均一に加湿。包装フィルムの印刷不良やプラスチック成形品の水跡・曇り、電子部品のショートを防ぐ。
空間をムラなく加湿することで静電気の帯電を抑制するだけでなく、工場内に浮遊する塵・パウダーを回収。包装フィルムへの白抜け(ピンホール)を防ぎ、プラスチック成形品の外観不良を低減する。
食品工場
製薬工場
なら
| 大きさ(mm) | 高さ550×幅380× 奥行285~ 高さ650×幅680× 奥行370 |
|---|---|
| 運転重量(kg) | 16~41 |
| 加湿量(ℓ/h) | 1.5~23 |
| 加湿可能な 目安面積(㎡) |
明記なし |
▼マウスオンすると、加湿方式の解説が出てきます
ステンレス内の電熱ヒーターで水を加熱・殺菌し、純度の高い蒸気だけを供給して衛生的に加湿。純水を使用するため、ミネラル分が残らず白い粉の浮遊・付着を防げる。
湿度センサーの検知値に応じて蒸気量を細かく制御し、設定湿度を一定に維持。粉末原料の固結や生地の乾燥を防ぎ、食品・医薬品の品質を保つ。
製材工場
木材倉庫
なら
| 大きさ(mm) | 直径540×高さ310 ~直径660×高さ330 |
|---|---|
| 運転重量(kg) | 8.8~9.2 |
| 加湿量(ℓ/h) | 12~54 |
| 加湿可能な 目安面積(㎡) |
明記なし |
▼マウスオンすると、加湿方式の解説が出てきます
高圧水による微細なミストを、天井から水平方向に噴霧・気化させることで、高さのある大空間を均一に加湿。木材を加工・保管するエリア全体を一定の湿度で管理できる。
滴りを防ぐノズルと配水ライン構造により、木材への水滴落下や局所的な過湿を防止。水滴による反りやカビなどの品質不良リスクを抑えられる。